vol.003

カビ、細菌と脱酸素剤の関係
 今年も年の瀬となりました。皆さんいかがお過ごしですか。
昔の話をすると笑われそうですが、年末といえば、餅。そして餅といえば、.....カビ。私と同年代から上の方は、石のように固くなった鏡餅のうらについたカビを包丁でそぎ落として、鏡開きをした想い出をお持ちの方も多いと思います。お餅にカビが生えていても平気で食べる大人が、私の子供の頃には少なくありませんでした。中にはこれは薬だと豪語する人もいましたし。*(注1)ところが、スーパーで売っているパックされた鏡餅にはカビが生えませんよね。今日はそんなところから、カビや細菌と、脱酸素剤の関係についてお話したいと思います。

 パックされたお餅には、脱酸素剤が入っています。これには、カビが生えません。
それは、なぜか。カビが生えるためには
(1)水分
(2)適当な温度
(3)酸素
(4)栄養分

の4つの条件が必要です。床の間に飾られた鏡餅を想像してみてください。水分をふくみ、暖かな室内に置かれて、当然酸素はありますし、お餅は、栄養もたっぷりときています。カビさんカビさん出ておいで!といっているようなものです。ところが、パックに入ったお餅には、カビが生えない。これはご想像の通 り、脱酸素剤が酸素を吸着してパッケージの中に無酸素の状態が作り出されるからです。

さてそうすると食べ物というものは、カビが生えていなければ、安全か、というとそう単純ではありません。例えば、食中毒。食中毒は食べ物による急性の健康障害です。
細菌性の食中毒は、食品とともに摂取した細菌が体内で増殖したり、細菌の出す毒素を含んだ食品を食べることにより発症するもので、次のような細菌が原因となります。

(1)腸炎ビブリオ
(2)サルモネラ
(3)病原性大腸菌
(4)ブドウ球菌
(5)ボツリヌス菌
(6)ウエルシュ菌
(7)カンピロバクター菌等々


では、このような細菌に対して脱酸素剤は有効か、というと残念ながらそうではないのです。これらの菌は酸素が無くても成育するため、パッケージの中に封入する前、原料段階からの厳密な衛生管理が必要になってきます。脱酸素剤が入っていても、封入以前に細菌に汚染されてしまった食品の滅菌を行うことはできません。脱酸素剤も万能ではないのです。それから、念のためにもうひと言、食べ過ぎによる腹痛にも対処できません。どうぞ、食べ過ぎたりしないで、良い新年をお迎えください。


*(注1)それは、あながち間違いとも言い切れませんが、カビが成育する過程の中で毒素を作り出すこともあるということは知っておいていただきたいと思います。特に有名なものが、発ガン性物質のアフラトキシンです。これは、イラン産のピスタチオ豆の殻についていることがあるのですが、それというのもイランの土壌にはアフラトキシンを出す菌がいるためなのです。



鮮度保持剤(脱酸素剤)にご興味をお持ちの方はご連絡下さい。

〒810-0022
福岡市中央区薬院1-17-28
凸版印刷株式会社
西日本事業本部 販促開発本部
事業開発部 鮮度保持剤チ−ム
E-mail:eiji.ando@toppan.co.jp
TEL:092-722-2132