
2泊5食 15,750円〜
湯出川沿いに宿が軒を連ねる湯の鶴温泉は、水俣の海の温泉湯の児温泉に対して「山の温泉」と呼ばれる。水俣駅から車でほんの15分ほどの山あいの湯の町に、ていねいに石を積んだ棚田風景が残る。郷愁をさそう風景はただ残っているのではない。地元の人々が荒れた棚田を修復し、花を植えて整備しているのだ。
温泉は、周辺の山に住み着いた平家の落人が、傷ついた鶴が湯浴みするのを見て発見したと伝えられる。無色透明のアルカリ性単純硫黄泉。
昔も今も、地域の人々の“命の洗濯場”として知る人ぞ知る温泉地だが、ひなびた風情をそのままに、地域ぐるみで「湯の鶴湯治村お楽しみプラン」を実施している。湯の鶴温泉には現在、5軒の温泉旅館と2つの入浴施設があり、うち素泊りの湯治宿一軒を除き、食事も出している4軒の宿が「2泊5食付き湯治村プラン」に参加している。1枚500円で3カ所、または3人が温泉に入れる入湯手形も販売。各宿の趣向を凝らした風呂や、湯の微妙な違いを楽しんでほしいという。入浴施設は、休憩室があり高齢者に人気の保健センターと地元の人が通う「きくの湯」がある。
温泉街を散策すれば、足湯があり、川ガニ捕りとおしゃべりが得意な一軒だけの床屋さんがあり、自炊宿「永野温泉」のご主人は、時間があれば地区の歴史など、よもやま話にのってくれる。お土産の竹細工やワラ細工が、おじさん達の熟練した手で作りだされるのをそばで眺めることもできる。隔週の日曜には、手作り惣菜や棚田米、野菜などの地元産品の直売もある。
「七滝巡り」は自然の中を散策。遠い昔、火山が造ったという地形に沿って流れ落ちる七つの滝を巡る。標識に従って行くと溶岩跡の「鬼の洗濯岩」や特産の茶畑などがある。ふるさとの原風景に帰ったように過ごせる湯治村である。