
2泊4食 11,000円
神経痛や足、膝の関節痛など、痛みに良く効く温泉には年配者が多く集まる。
松乃湯を訪れる多くの人はまさに、節々の痛みを抱えた中高年。足の痛みに勧められて、半信半疑で来たおじいさん。 10日ほど入浴するうち、痛み止めがいらなくなり、夜ぐっすり眠れるようになったという。朝7時の営業開始を待ちかねて毎日来る人、 急性の症状をかかえて駆け込んでくる人、さまざまな人が黄褐色の湯に身を沈めて、ホッと一息つくのである。常連ともなると、松乃湯についた時点ですでに、なんとなく痛みが治まってしまうという、気が病を凌いでしまう人も現れる。
木部谷温泉は間歇泉。25分おきに温泉水が噴き上がる。別府の地獄めぐりなどでも見ることができるが、全国的にも珍しいものである。しかもたいていの間歇泉は、 熱い水蒸気とともに湯が噴き上がるのだが、木部谷温泉は温泉に多量に含まれる炭酸ガスの圧力で噴き上がるのが珍しい。温泉自体は冷泉である。 始めラムネの栓を抜いた時のような白い泡が起こり、約5分間、2メートル近くも噴き上げる。毎分200リットル以上、最大で400リットルも噴出するという。
もともと、自噴していたものを、1970年に本格的にボーリングしたところ、間歇泉として噴出したのだという。
含二酸化炭素−ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉で、低張性・中性、20.7度の冷鉱泉である。炭酸ガスのほか、鉄やカルシウムなど、多くの成分を含み、無色透明で湧き出した直後に酸化して黄褐色になる。 肌に良いといわれるメタケイ酸やラドンも含む、効能豊かな濃い温泉である。
噴出した温泉は貯湯槽に集められ、そのまま湯船に注がれる。浴室には壁に沿って左右にパイプがあり、一方のパイプから冷たい源泉を入れ、反対側のパイプから熱い蒸気を湯船に引き込んで温める。
入浴しながら湯加減ができ、しかもデリケートな成分を損なわない加熱方法である。当然100%源泉掛け流し。浸かると炭酸の泡が肌に付く。カルシウムの結晶や薄い膜が浮かぶこともあり、湯船のフチ、洗い場の床には湯の花やクロレラの一種という緑の藻などが層になって付いている。
食事は女将さん手作り。昼は食堂が開き、地元の味の定食やうどんなどがある。
休憩、食事は本館、宿泊は別館で。女将さんが明るく応対してくれる。日帰りの客の平均年齢七十才超の癒しの温泉。