達人の常宿
Vol.186

大分県・別府鉄輪温泉 入湯・貸間 陽光荘

ズラリと並ぶ鉄輪名物・地獄釜。部屋の数だけある
ズラリと並ぶ鉄輪名物・地獄釜。部屋の数だけある

 陽光荘の元をたどれば、大正時代は血の池地獄・坊主地獄・竜巻地獄など地獄巡りの一ヶ所として『鉄輪地獄』と呼ばれ、多くの観光客で賑わっていた。ところが昭和12年頃にバスでの地獄巡りが脚光を浴び、鉄輪地獄は周囲の道路が狭いためバスが入れず、地獄巡りコースから外れ貸間の宿としてスタートした。当時の写真を見せてもらったが、地獄の蒸気が吹き上げていた。別館もその頃建てられた。

 お客さんは常連さんや口コミで全国から訪れる人気の湯治宿だ。「身体が痛い」「膝が痛い」「腰が痛い」などの痛みや「最近は癌の手術後に1週間ほど滞在されて、楽になりましたと言って帰られる方も増えました」と、3代目の女将さんが話してくれた。
 「ストレスとかで若い女性の人も随分増えました」と続ける。確かに平日にもかかわらず30人くらいの人が滞在していたが、若い女性や家族連れの人が目立った。

 炊事場に行くと、買い出しに行ったお米や野菜、肉、魚介類などを手際よく調理していた。調理といっても切って、ザルに移して、地獄釜に入れるだけ。なんとシンプル。地獄釜も部屋の数だけあるので待つこともなくスムーズに進んでいる。後はお好みの調味料で味付けするだけ。
 私はほとんど料理経験がないので、スーパーで厚揚げともやしを買って釜に入れた。それをポン酢で食べる。これが熱々で美味しい。料理のセンスがあるのかと錯覚するほど簡単だ。感心したのは、みんなマナーをよく守っていること。みんなの台所なので汚すことがない。後かたづけに余念が無い。周囲には食堂などもあるので、自炊したくない時は外食もいい。鍋・釜・ザル・食器などもすべて完備している。

蒸し湯も鉄輪の必須アイテム
▲蒸し湯も鉄輪の必須アイテム
 お風呂は男女別の内湯が2つ。片方に石菖を敷き詰めた蒸し湯があるので、ほぼ2時間置きに男女が入れ替わる。また徒歩1分以内に100円か無料の共同浴場が3ヶ所あり、外湯巡りも楽しいもの。徒歩3分ほどの場所に別館があり、そこには岩風呂と露天風呂もある。
 お部屋は貸間なのですべてセルフ。宿の人が入ることもないので寝るのも、起きるのも、食べるのも自由。気ままに過ごせるのが貸間の魅力でもある。


御宿デ−タ
大分県・別府鉄輪温泉 入湯・貸間 陽光荘
■貸間1人/1泊3,400円・2〜6泊3,300円・7泊以上3,200円
■自炊設備完備(地獄釜あり)
■客室/本館和27室・別館和4室・大部屋2室
■泉質/ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉
■源泉温度/90℃ ■pH/7.9
■主要成分
陽イオン(mg) : ナトリウム1160/カリウム140.5/カルシウム95
陰イオン(mg) : 塩化物イオン1446/硫酸745
■浴槽内の温泉の状態
加温なし・循環なし・加水なし (但し夏場は一部加水あり)
■効能(分析表より)
・浴用/神経痛・リュウマチ・五十肩・慢性消化器病・痔症・冷え・慢性皮膚病・やけどほか
・飲用/慢性消化器病・便秘など

■大分県別府市鉄輪井田3組
TEL 0977(66)0440 FAX 0977(66)0440
★アクセス
・JR日豊本線別府駅よりバスで20分
・大分自動車道別府インターより車で10分
・大分空港よりリムジンバスで70分

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