達人の常宿
Vol.148

鹿児島県・新湯温泉 国民宿舎 霧島新燃荘


▲内湯は窓を開けて入るのが安全

 霧島温泉郷湯めぐりの上がりの温泉である。標高920mの最高地にある。硫黄のにおいが立ち込める赤松林の中の一軒宿。こんな秘境にありながら、平成15年には6万人も入浴したという。湯治宿らしく、旅館部と長屋形式の自炊部に分かれ、浴室も別棟になっている。男女別内湯と治療室、混浴露天風呂、女性用露天風呂、内湯家族風呂がある。治療室は、症状が重くて人に見られたくなかったり、他人に不快な思いをさせたくない人がいつでも使える個室風呂。というように、さまざまな皮膚病の症状を抱えた人たちが九州はもちろん、関西、関東、東北地方からも湯治に訪れる。
 新湯温泉は、明治12年にハンセン病患者により発見された。以来皮膚病に卓効があることは知られていたが、九州大学医学部の調査により、カビが原因の皮膚病や乾癬、湿疹に特効ありというお墨付きを得ており、こじれていない水虫ならすぐ治るという。
 「水虫なおしにおじゃんせ」というキャッチコピーで有名だが、ガサガサ、カサカサの肌も2日もすればツルツルに。頑固なニキビも治り、痒みも取れる。最近はアトピー性皮膚炎に良いと、子供連れなど若い人が湯治に来る割合が増えたという。高血圧症や動脈硬化、糖尿病にも効能がある。
 湯は濃い乳白色の、硫化水素型硫黄泉である。高温のため加水している湯船もあるが、すべての風呂で掛け流し。硫化水素ガスが強烈なので、入浴は「15分以内、必ず2人以上で」「内湯では換気のために窓を開ける」が鉄則。
 源泉井戸は混浴露天風呂のそばにあり、当然立ち入り禁止である。混浴露天風呂には源泉がそのまま流れ込んでおり、湯船の底からもぷくぷくと硫化水素ガスの泡が出ていて魅力的だが危険。硫化水素ガスは毒と認識して、泡は避けて入浴し、深呼吸もしないこと。露天でも危険は内湯と同じである。各地にある“地獄”はそこで小動物などがわけもなく(もちろんガスのせい)死ぬために地獄と呼ばれたのだ。それさえ気をつけていれば、洗っても3日はにおいがまとわりついて離れないという、最高の硫黄泉ざんまいを楽しめる。この混浴露天風呂では女性にタオル巻き入浴が許されている。
 食事はここで養殖しているマス料理が絶品。黒豚のトンコツや田舎鍋も好評である。自炊宿泊の場合は、部屋と水道と温泉に対しての宿泊料金である。ガス・電気代100円と布団代は別途。調理器具や食器、食料はすべて持参。

御宿デ−タ
鹿児島県・新湯温泉 国民宿舎 霧島新燃荘

■1泊2食/7,500円〜
■1泊朝食/5,925円〜
■自炊/1〜5日まで3,150円 6日目以降2,625円
■入浴のみ/500円(7:00〜22:00)
■入浴休憩/1,000円(食事持込可)

■鹿児島県霧島市牧園町高千穂3968
 TEL 0995(78)2255 FAX 0995(78)2999
★アクセス/
 車:九州自動車道横川インター28km
 JR:日豊本線霧島神宮駅からバス40分新湯入口下車・徒歩10分

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