Vol.179
鳥取県・東郷温泉 国民宿舎 水明荘
広島県 Kさん
東郷湖畔に面している、中国の城を連想させる壮大な建物が、私を迎えてくれた。公共の宿と言って侮ってはいけません。高級ホテルと言っても過言ではない。平成11年にホテル並みの施設を備えてリニューアルオープンした、日本で最初の国民宿舎である。
4階の広々とした客室の窓からは、東郷湖全体が一望できる。リュックを放り出して早速浴室に向かった。5階の露天風呂に入る。無色透明の少しぬるっとしたやわらかな湯で、体にやさしい微食塩味のする温泉で勿論掛け流しで湯舟の端から湯が溢れている。
湯に浸って湖を望むと、湖と一体となった気分になれる。ゆっくりと長距離ドライブの疲れを癒した。
昼は、途中倉吉市の打吹地区の白壁土蔵の街を散策して、赤瓦一号館の二階で美味しいソバを食べた。夕食の量を想定して軽目の食事にした。
それでも夕食は、私の小さな胃袋には荷が重過ぎて、数え切れない数の会席料理に、全てを食べ切れなかった。日頃粗食に慣れていた胃もたまげて(びっくりして)いたに違いない。妻と娘と中一の孫の女性軍は、ほぼ完食。おそれ入りました。
夕食後、腹ごなしに湖の周りを散策した。宿の隣りに素朴だけど美しい公園があり、町のシンボルとなっている「こいの湯」には、温泉卵が20分で作れる温泉湧出口と足湯場が整備されていた。明治時代に湖底から自然噴出していた温泉を鯉が教えてくれたという言い伝えがあり、鯉の銅像まで造られていた。
宿に戻ると、次は2階の大浴場での入湯。天井まである広い窓から眺める湖の夕暮れは、幻想的な雰囲気を演出してくれていた。
旅の心地よい疲れも手伝って孫3人を含めて6人は、午後9時30分には、安らかな寝息?少しやかましいイビキをかいていたのである。
旅行は、5日前に鳥取県の温泉地の公共の宿と決めて、3冊のガイドブックを手に、電話を掛けては断られて最後に一部屋空いていてすぐ予約を取ったのがこの水明荘だった。私の日頃の良行?で運良くこの宿に巡り会えたと嬉しくなった。
「また泊まりたい」と6人がそれぞれに感じたに違いない。
私は、益々鳥取が好きになった。

