Vol.174
宮崎県・北郷温泉 ホテル北郷フェニックス
宮崎県 I さん
宮崎県は東国原県知事の登場で、「食」に「観光」に、今まさに「まんまブーム」の旬を迎えている。その宮崎の観光といえば、県北の高千穂峡、県南の日南海岸が既成の代表的なものだが、その代表的な日南海岸の奥座敷と呼ばれているのが今回御紹介する北郷温泉である。
北郷温泉のある北郷町は日南市・堀川運河に流れ込む広渡川流域に点在する人口6000人足らずの鄙びた過疎の村である。北郷温泉の開湯も3、40年前と、観光リゾートとしての歴史も浅い。
何年ぶりかの電車の旅である。妻の還暦祝いということで、JR九州の駅長おすすめの旅に応募した。JR志布志線を宮崎駅から約1時間、日南海岸を南下し、長い長いトンネルを潜ると、そこにはタイムスリップした昭和レトロの北郷駅が待ち受けている。寅さんが「よっ」と声かけてきそうな、そんな雰囲気の駅舎が待っている。
午後3時過ぎ、今宵の宿『ホテル北郷フェニックス』の出迎えの車で花立山の飫肥杉林道を揺られること十数分、天女の緑の羽衣のたゆたうゴルフコースと、近代的な白亜の館が出迎えてくれる。
部屋室631号、ベランダからの眺望はパラグライダーからの景観を思わせる飫肥杉群の山々と、遠く日南の青い海のパノラマ。
まずは今日お目当ての、ホテル専用のクアハウス。妻は急遽買ってきた水着、私は十数年前の水着をもって25m温泉プールへ直行。たかが水泳されど水泳、還暦を過ぎた夫婦にとっては肉体の限界を思い知る。
夕食はレストランでの和洋中華のバイキング。暮れなずむゴルフコースの景観を眺めながら、還暦を祝ってビールで乾杯。刺し身が新鮮で旨い。チャーハンが、スパゲッティが、デザートが美味い。今夜は体重計を忘れよう。
北郷温泉は美人の湯と聞いてきた。夜の露天風呂は淡い電光に照らされて幻想の世界。昼間の森林浴の湯浴みと全く異なった顔を見せる。さらさらとした湯質と少し熱めの温泉は、酔い覚ましの肌に長生きのメッセージを送っているのかもしれない。満天の星空、天空の温泉、ドドドドーッと星屑が浴場に溶け込んでくる。一服の幻想の世界。至福のひと時。
末筆ながら、さすが宮崎の観光ホテル。洗練されたサービスに感謝。

