達人の弟子が行く
Vol.142


島根県・玉造温泉 玉造グランドホテル 長生閣
兵庫県 女鷹ちゃん

 2006年5月の上旬に島根県松江市玉湯町玉造温泉『長生閣』に行くことができました。
 その節は、長生閣の皆様、大変お世話になりました。ここに晴れてうれし〜報告させていただきます。
 長生閣に到着すると、見えた!ロビーの向こうに大きな庭が。前一列の滝の上に続く“さつき”の植え込みが階段状に広がり、新緑の中に赤・白・ピンクのさつきが、周囲の山や、果ては青空にまで続いているかのように彩り美しく咲いています。感動的でした。
 あまりの庭の大きさに、主人と二人でロビーの椅子にもたれかかりながら、呆然と見とれていたら、抹茶と干菓子を出してくださり、ほっとひと息。うれしい心遣いのゆったり歓迎。
 やっとひと息ついて仲居さんに案内され、これまた先ほどの中庭がまん前に見える三階のお部屋に到着。今度は庭を上から見渡せる構図の部屋で、改めてこの湯宿の庭の規模に、手放しで感動しました。お風呂に入る前に庭に魅了されてしまい、デジカメでロビーや部屋から“この庭”ばかりをひたすら撮り続けておりました。
 それほど、長生閣は中庭が強烈に印象に残る湯宿なのです。
「そうだ。お風呂に行かなくっちゃ!」一段落して、やっと一番大切なことを思い出しました。長生閣には、お風呂に入りにきたのです。
 私は、まず一階の“女神の湯”へ、主人は二階の大浴場“神話の湯”へ、それぞれ行きました。「どんな湯か?」大変興味がありました。
 女神の湯は岩風呂・瑪瑙(めのう)風呂・庭付きの露天風呂の三種類でした。ここでもまず、最初にお風呂の種類や内装をひと通り確認し、浴衣着のまま風呂の外観をテジカメにおさめました。それでやっと安心して更衣をし、おもむろに三つの湯を楽しみました。
 中でも瑪瑙風呂はびっくりでした。壁・天井・浴槽の縁と中、洗い場の鏡や湯の出る水道の周辺も全部大きな色とりどりの“めのう”がびっしりと敷きつめてあります。まるで、女王様にでもなったみたいにゴージャスな気分でした。
 露天風呂もステキでした。庭の造りが丁寧で、小さいがとてもしゃれた滝もあり、白い岩の間にさつきの花が咲き、緑の木々とのコントラストが実に趣深かったです。
 さわやかに晴れた日だったので、皐月の空の下、サラッとした心地よい外気を吸い、3月から悩まされ続けた花粉症が一気に治った日でした。ゆったりとした至福の時間を楽しみました。
 お風呂は、夜の二時になると男湯と女湯が入れ替わるので、翌朝にもう一つの湯も入りました。合計六つの湯を楽しんだのです。
 私的には、翌朝の男性的な、広さ大きさ充分の“神話の湯”よりも前日入ったやや小ぶりだが丁寧な造りの“女神の湯”が好きです。もちろん神話の湯にも瑪瑙風呂・外の岩風呂はあったのですが、お風呂のデザイン全般や丁寧な造り・美しさへのこだわりは、女神の湯が上かな?これは主人も同じ感想なのですが…。
 長生閣は食事もよかったです。
 夕食は、春を感じさせる八重さくらの花びら付きの、色彩豊かな会席料理。二百年前の創業のときは豆腐屋兼湯宿だった長生閣は、豆腐料理もこだわりいっぱい。
 他に蒸し松葉蟹、山陰の魚介類盛り合わせ御造り、島根和牛のステーキ、宍道湖の白魚の鍋など盛りだくさんで味にうるさい?食にやかましい私としましては、満足満足。季節の小物の鉢もあちこち並び、目で舌で味わって食べた美味しい部屋食でした。
 更に、翌日の朝食は和食洋食のバイキングで、宍道湖のしじみの味噌汁、またしても豆腐料理、ドイツから生地を取り寄せたとかのこだわりのパンにコーヒーなどなど。これまたコックの食へのこだわりメニューで、食には目のない私としましては、和も洋もたっぷり食べて?お腹の中まぜこぜ状態?どっちかに決めて食べたほうがよかったか?
 とりあえずご機嫌で、ラウンジで香りのいいこだわりのコーヒーを楽しみ、またまた朝の庭を眺めながら、幸せな朝食タイムは終わりました。
 その後、私はこの宿にいる間に「ぜひともしたいことが一つ〜」。それは庭をバックに浴衣姿で、主人にデジカメで撮ってもらうことです。宿の人に頼んで、思い切って下履きでなんとか私はこの記念すべき長生閣の庭に出してもらいました。
 なんとか願いも叶い、記念撮影までも完了。完璧です。幸せ〜〜。めったに見せない私のいい笑顔。素直な笑顔。思い出深い庭です。前夜の九時から、この庭で音と光のイルミネーションショーがありました。
 緑に覆われた自慢の1千坪の和風庭園の夜。静寂の夜の闇に包まれる頃、どこからともなく流れてくる心地よい音楽と共に、2万個の鮮やかな光が日本の四季を壮大に映し出します。思いがけないファンタジックな世界でした。
「どれだけいろんな演出を庭ですれば気が済むのか?」…のスケールの大きさ。この宿の支配人の庭への普通ではないこだわりを、つくづく感じました。
 長生閣でもう一つうれし〜いことは、朝の7時〜9時の2時間、日本海や宍道湖の産物がずらっと並ぶ「朝市」があることです。
 これは、朝早くから例のごとく「1回でも多く温泉に入らなきゃ損、損」の私が偶然、早朝のお風呂行きの通路で発見! すごいのです。白魚や甘いか・地のり・蟹味噌の缶詰、どれも目が離せません。白魚や甘いかは試食もできます。
 こんな時だけ?早起きな私は「早起きは三文の徳」なんて言いながら、ひと通りこれらの海産物を買い揃え、帰路につきました。
 うれし〜いうれし〜い報告でした。海辺に育った私は「海産物大好き人間なのです〜」五つ星でした。


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